tsuki no kobanashi

ソプラノ 和田静乃の日々をつづります
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そして、翌日

そして、そんな三公演が終わり、
私は、打ち上げにも参加せず(:_;)、
翌日のナレーションのお仕事の準備に帰りました。

そう、翌日16日は、ホテル椿山荘東京において、
いつもお世話になっている、
ソプラノの崔岩光さんのディナーコンサートだったのです。

崔さんのコンサートでは、
何度かナレーションやMCをさせていただきましたが、
椿山荘では2回目となります。

世界的に活躍されている方の、
それも、ホテル椿山荘東京という由緒ある場所でのコンサート、
本当に私でいいのか?!と、前回に引き続き思ったわけですが、
この夏のはじめに、マネージャーの木村さんから是非に、とお話をいただいて、
僭越ながらお受けしたというわけです。

木村さんは、いつも
「静乃ちゃんは、声のトーンが落ち着いているから、ほっとする」
「クラッシックの雰囲気に合っていいね」
・・・などと、いつもおっしゃってくださり、
ことあるごとにお声を掛けてくださっていたのです。

でも、今回のお仕事が、
木村さんが私にくださった、最後のナレーションのお仕事になってしまいました。

木村さんは、この8月、他界されたのです。

崔さんが母国・中国から日本にいらしたのが約20年前。
それからずっと、崔さんのマネージャーとして、
文字通り、東奔西走し、
崔さんの日本での活動の基盤を作られた方でした。

常に前向きで、アグレッシブ。
それでいて、細やかな心配りができる方。

そして、一番の、崔さんのファン。

崔さん以上のソプラノは、世界広しと言えど、どこにもいない!と
いつもおしゃっているような方で、
ここまで、自身の担当するアーティストの歌に
惚れ込んでいるマネージャーさんは、
それこそ、世界広しと言えど、木村さんだけなのではないかと思います。

そんな木村さんが、
最期に残して行った公演が、
今回のディナーコンサートでした。

くしくも、テーマは「アヴェ・マリア」
クリスマス・ディナー・コンサートだから、という意味合いでのものでしたが、
木村さんのご冥福をもお祈りするような、
そんな深い意味になったような気がしています。

崔さんがコンサートの最後に選んだのは、
ヴェルディ作曲のオペラ≪オテッロ≫のアヴェ・マリア。
この歌の終盤の、静かにまっすぐに上行する旋律に乗って、
崔さんの、そして、木村さんを思う方たちの祈りが、
きっと、天に昇ったんじゃないかと、私は思っています。

「静乃ちゃん、いいねぇ」と、
いつもだったら声をかけてくださる木村さんがいらっしゃらなかったのは、
ちょっと心細かったけれど、
それでも、私のナレーションがいい、と、
私の可能性をひとつ増やしてくださった木村さんに、
そして、木村さんとともに私に託してくださった崔さんに、
感謝の思いをこめながら、言葉を発したつもりです。

私のCD「おやすみ・の・うた」の完成を、
木村さんに直接ご報告できなかったのが、
今でも悔やまれますが、
会場にいらしていた奥様にCDをお渡しし、
木村さんに聴いていただいてください、とお願いしました。

収録曲2曲目の「くちなし」は、
歌っていると、どうしても木村さんを思い出してしまうのです。
本レコーディングの時も、そうでした。
木村さんを想いながら歌ったのです。

ひたすらに焦がれ生きよと 父は言う

亡くなったお父さんを想っての詩ですが、
いつも「あきらめないで頑張るんですよ!」と言ってくださっていた、
木村さんの言葉が、そこに重なります。

今回のナレーションも、
この「くちなし」も、
天国の木村さんに届いていることを祈って。

2013椿山荘

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